第29話|海の向こうの「ポッカ」

「ごみごみの都心に疲れたあなたも、ごみごみ大好きなあなたも、日常の喧騒から離れて深呼吸したい方は、一度でいいからお試しいただきたい。・・・晴れた日の朝、アクアラインにのって、東京湾をびゅーんと一息で横断します。それでもって、どこかのインター(ほぼどこでもいい)ですっと高速を降りてすぐ、国道を南へ。よくわからないけどとにかく小さな道があったら左折(右折すると、だとだいたい海に出る)。しばらく走ってみてください。


たちまち、のどかで懐かしい日本の田舎に、巡りあえます。東京湾を渡ってから、ほんの15分もあればたどりつける、名もない幸福な風景。口笛がふきたくなるような気持ちになること、請け合いです」


・・・と、思わず、房総の宣伝がしたくなるほど、衝撃をうけました。

房総ではじめて見た物件の場所は、アクアライン出口からほど近い袖ヶ浦というところだったのですがそこへ至る道の、なんとのんびりしたことよ。


ついさっきまで、ごみごみの都心をぶうぶう走っていたとは思えません。ちゃんと、気合いの入った田舎が、すぐさまたちどころに現れたというかんじ。
「まるでNHKの『小さな旅』だな。知らなかったなあ、こんなところが東京からすぐのところにまだ、残ってるんだ。」
高い山もないし、絶景が広がっているわけでもないし、気負って見るべきものはなんにもない。田んぼ、畑、竹林、お花、そんなようなものが、適当に具合よく配置されているだけです。


写真で撮って「ここはどこでしょう」と言われても、「すみませんわかりません」と言うしかないようなアノニマスな風景。だからこそ、一見さんのわたしたちもすんなり空気になじみ、あたりまえのようにのどかな気持ちになれるのかもしれません。

29.JPG
これぞまさにボッカ。


日常の憂さを一瞬忘れ、とっても平和な気分でのびをしたくなります。
「いわゆる牧歌的な風景、だよねー」とわたしが特に何も考えずに言うと、にいにが間抜けな声で「ぼっかてきってどういう意味?宣伝のボッカ?」ととんちんかんな質問。


「それはポッカだろ。ポッカはコーヒーだろ。」
「そうか。ボッカはポッカじゃないんだ。ポッカ的かと思った。」
ぽちんが2歳のセンスで会話をキャッチして「ぽっかぽっかぼっかぼっか」と妙な節をつけるとすぐさまにいにが便乗して「ボッカボカー!はいーおいしいボッカですよー!!」
と5歳児の意味不明なギャグを発し自分だけウケてゲラゲラ笑い、ぽちんもここぞとばかりにきゃあきゃあ奇声をあげて大喜び。


・・・子連れのドライブは、頭痛と悪寒がするほどくだらない会話に満ちています。

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このブログについて

平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。

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Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

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