第18話|好物件を目の前に、わくのは猜疑心

下から、夫にいろいろと説明しているKさんの声が聞こえてきました。


「わたしもね、長いこと不動産屋をこの土地でやってますけど、ここはいいです。なかなか出ないですよ。ちょっと、詳しいことはこの土地の専任の業者さんと話してみないとあれですけど、いやね、うまいこというじゃないですけど、この日当たりでこの広さだと、すぐ売れちゃうんじゃないかなあ。」

・・・実はわたしね、ちょっとだけ恨んでるんです、この口癖。やっぱりあまりにいかがわしいと思います。結論から言えば、彼は本当は素朴で善良な地元の不動産屋さんだったんです。(逆に本当にやり手のヒトだったら、こんなベタな言い回ししないはず。損ですから。)


でもなんかこういうセールストークって、疑い始めると果てしなく疑いたくなるようなニュアンスがあって、夫もわたしもフィーリングでは「かなり最高!」と思っていたこの土地も、彼の話を聞いているうちに「ほんとにさあ、うまいこといってぼったくろうとしてるんじゃないの。」と、どろどろと猜疑心が湧き出てきて、そっちがそうならこっちだって武装してとりかかってやる、ちょっとでも不利な条件はのまないぞ、みたいな構えになっちゃったんですよね。途中から。あ、別にKさんだけが悪いんじゃないです。言ってみれば、これは逆恨みっていうか、軽い八つ当たりみたいなやつです。


そんな愚痴もいいたくなるんですよ、夢が叶わなかったりするとさ。

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裏山に入ると、しいたけ栽培の榾木(ほだぎ)が。

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このブログについて

平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。

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Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

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