第9話|ご、ご、500坪?

どうせ遠くに土地を探すなら、週末過ごすのに快適な場所にしようよ。家も建ててさ。
という考えには、夫も積極的に賛成してくれました。


「子供を育てる環境としても、田舎はいいよ。ゲームやるより楽しいことがいっぱいあるからね。」
だよね、わたしもそう思う!と相づちを打つ間もなく、彼が言ったのは
「田舎に土地を買うなら、広い方がいいよな!フツウ500坪以上の栽培場があれば業者になれるらしいから、まあ最低500坪必要だな。そうすれば大きいのが2棟はたつ。」


・・・え、パードン?
あのー意味わかんないんですけど。


「だからあ、植物のナーセリーをつくって業者やるんだったら、それくらいの土地が必要なんだよ。まあもちろん1000坪ぐらいあった方が、なおいいけどね。」
「ナーセリーってあなた・・・誰が世話するの?仕事があるでしょうが。」
「今の仕事のこと?すぐにはやめられないよなあ。家族が路頭に迷うしなあ。でも、もし商売にできる目処が立てば植物屋になるんだよ。仕事が、植物屋。来年ってわけにはいかないけど。」


・・・まさに、顎がはずれるほどおどろきました。


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500坪って、こういう広さだそうです。
都心の1戸建ては敷地がだいたい30坪=100平米弱ってことは・・・16戸分か!

わたしは、すごいものに着火してしまったのであります。


今まで、自分の家の敷地めいっぱいに温室をたてるだけにとどまっていたことで事実上、植物とのかかわりも制約されていた状態だったのですが、そんな彼を「植物の栽培面積に上限なし」という夢想ののっぱらに放牧してしまったことで彼が密かに暖めていたであろう夢の火種が、一気にぼむっと爆発してしまったのです。


に、しても。
そーでなくても蓄財を激減させる話をしているときに、よくもまあこんなことを言うわな。と、怒りを通り越して呆れかえるしかありません。


「せっかく遠くに土地を買うんだったら、広くないともったいないよね。500坪以上はないと。」
わずか数分の話し合いの中で、500坪という広さが前提化されていく恐ろしさ。わたしのイメージじゃ、せいぜい広いっていっても150坪とか、そんな程度でしょうフツウ。そこに、温室と小さい家がたてばいいかなって、思っていました。周辺が田畑や野原なら、充分のどかな生活が送れるかしらって。わたしなんかカワイイ夢です。


それにくらべて、あなたというヒトは・・!
唐突に500坪が最低ラインみたいにおっしゃいますけどね。いつ決めたのさ!
と憤りたくもなるでしょう。


・・・でも、よくよーく考えてみたりすると、それっくらい広い土地を持つっていうのは、なんかいいよなあ・・・・ぶあーっと広がる土地が全部我が家、そこに、緑の切り妻がたたずんでいて(これは赤毛のアンのイメージ)、こどもたちが裸足でワーッてとびだしてきたりして♪(これはハイジ)、ホントにホントに大草原の小さな家になっちゃうかも♪(イメージのコラージュです)と、彼とは違った意味で目の焦点の合っていないわたしはあろうことかウッカリ賛同してしまいました。


「じゃあ、500坪以上で、わたしたちの条件に合った土地を、探してみるか!」
こんなこと言ってしまった以上、わたしにも責任が派生してきますよね。バカだ・・・

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このブログについて

平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。

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Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

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